外国が東芝の技術を狙っている

昨年7月の総会前に経産省と東芝が外国の「もの言う株主」に不当な圧力をかけたか否か、を調査した弁護士の報告書が6月10日に公表されました。

120ページに及ぶ報告書は、詳細な調査したうえで、次のようなことを事実として認定しています。
・東芝の幹部や法務部門と経産省の審議官や課長たちは、密接に連携している
・彼らは、エフィッシモが東芝の技術を狙っているのではないか、と疑っている
・東芝と経産省から「もの言う株主」に対する不当な圧力はあった

外為法(外国為替及び外国貿易法)は、外国人が先端技術を持つ日本の企業の株を買収する時には、その買い取りを政府に報告させ、場合によっては日本の国益に反しないように投資内容を変更したり中止させたりすることが出来る、と定めています。経産省はこの規定をちらつかせて、エフィッシモに情報を迫ったというわけです。

この報告書によって多くの株主が東芝に不信感を持ったのでしょう、6月25日に開かれた株主総会では、東芝が推薦した取締役候補の内2人の任命が拒否されました。エフィッシモは、いまのところそれ以上の動きをしていないのですが、いずれは何かを仕掛けてくると思います。

東芝の技術を狙っている外国人投資家は、エフィッシモだけではありません。車谷暢昭(のぶあき)氏は、2018年から今年の4月まで東芝の社長や会長を務めていました。彼は三井銀行出身で、後にイギリスのCVCキャピタル・パートナーズに移りました。つまり、三井銀行とCVCのひも付きで東芝の経営者になった、ということです。

彼の東芝在任中に、CVCは東芝に対して一つの提案をしました。
・CVCが東芝の株式を大量に買い付ける
・東芝は上場を廃止して非公開にする
・そうすれば、東芝は「もの言う株主」からの攻撃を免れる

これは、東芝の持っている技術をイギリスに流出させる、という提案です。この提案に東芝の社員が怒り、CVC出身の車谷氏は今年の4月に東芝を追い出されてしまいました。このように、多くの外国資本が東芝の技術を狙っているのです。

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