人道主義は、とりあえず命を救え、という考え方

戦争や政治的迫害を逃れて、日本に難民としてやって来る外国人がいます。朝鮮戦争の時に数十万単位の朝鮮人が日本に来てそのまま住み着きました。近年は、日本で働いて金を稼ごうとする移民がたくさんやってきています。近い将来、支那や朝鮮の国家が破綻して、それこそ何百万・何千万の人間が日本に押し寄せてくる可能性が大いにあります。

このような問題を法理論から考えると極めてシンプルで、日本には彼らを受け入れる義務はありません。内乱や政治的混乱などは、その国の住民が自分たちで処理すべき問題で、まさに「民族自決」なのです。国連などは、各国に難民受け入れの責任があるようなことを言っていますが、これは明らかに国家主権の侵害です。

「人道主義」という観点から難民や移民を受け入れなければならない、という考え方があります。人道主義をヒューマニズムのことだと勘違いしている人が多いですが、英語ははっきりと分けています。

ヒューマニズム(humanism)は「ギリシャ・ローマの古典を学ぶ」という意味で、ルネッサンス時代に出来た言葉です。中世はカトリック教会が社会のあらゆる方面を規制していて、神が中心の社会でした。ルネッサンスになって「古代ギリシャ・ローマ時代にはキリスト教などなく、人間らしい生活をしていた。その時代に戻ろう」と主張したのです。

一方の人道主義(humanitarianism)の意味を調べてみましたが、非常にあいまいです。「戦争に反対し、無抵抗を貫き、目前の人命尊重を第一とする」というのが主な主張です。

キリスト教は正義を強調しますが、人道主義の方は正義という言葉を嫌っていて、「正義を主張するから戦争になる。とにかく戦争が悪い」というものです。従って人道主義は、キリスト教の教義から生まれた考え方ではありません。

マリア・テレサやシュバイツアー博士の「とりあえず命を救え」という考え方と、マハトマ・ガンジーの「非暴力主義」及び「とにかく戦争が悪い」という主義主張が混じり合って、第二次大戦後にできた言葉です。

人道主義は「とりあえず命を救え」と主張するだけで、その後どうするべきかという考えがありません。非常に感情的で、この考え方に従っても問題を最終的に解決できません。

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