日本共産党はこのまま凋落するのかしぶとく生き残るのかを考えたくて、私は改めて共産主義を勉強してみました。 共産主義の基本的な主張は、「能力に応じて働き必要に応じて配分を受ける、みんなが幸せになる社会を作ろう」というものです。
「資本家をやっつけて私有財産制度を廃止し、搾取をなくせば、人間は本来の自分を取り戻し、心が変わる」と、マルクスは言っています。誰でも自発的に仕事をしたくなるので、「生活が保障されているから」といって仕事をさぼる者はいなくなります。みなが働くから、社会は物で満ち溢れます。物が豊富にあるからなんでも自分用に確保しておく必要がなく、必要な物を公共の倉庫に取りに行けば良い、という理屈なのです。
まあこのようなことをマルクスは言っているわけで、毎朝嫌々ながら職場に向かう現実社会から見れば、共産主義社会は素晴らしく見えます。だからソ連や中共の実態が知れ渡るようになるまでは、共産主義に多くの人があこがれました。
マルクス(1818~1883)の活躍した19世紀後半の西欧は、産業革命の真っ最中で経済の高度成長期でした。大きな戦争もなく、アジア・アフリカの植民地から大きな富が流れ込んできました。そして、人々の生活はどんどんと良くなっていました。このままいけば生産力はさらに増して、すべての人の必要を満たすだけの物が社会にいきわたる、とまで考えられるようになりました。
こういう時にマルクスが現れて、当時の社会を分析しました。社会全体の生産力はどんどん増加しているが、資本家が労働者を搾取しているために、労働者はいつまでも物の不足に悩み続ける、というのです。だから、革命を起こして資本家を退治して搾取をなくせば、物が全ての人に十分いきわたるはずだ、というのです。生活のために嫌々働くこともなくなると、人間は本来の在り方に戻って、喜んで働くようになるはずだというわけです。
ひと続きのシリーズです。