「一つの中国」はウソ

1945年に日本は戦争に負け、台湾は取り上げられて支那の領土にされました。ただし日本の敗戦当時、蒋介石率いる国民党の中華民国と毛沢東率いる共産党の中華人民共和国の二つの政府があり、互いに争っていました。中華民国は戦争に負けて本土を追い出され台湾に拠点を移しました。しかし建前上は、中華民国の領土には本土も含まれています。本土を制圧した中華人民共和国(中共)は、台湾も領土の一部だ、と主張しています。結局、中華民国も中共も、どちらも「一つの中国」を主張して今に至っています。

両方が「一つの中国」を主張しているので、外国はどちらかを選ばなければならなくなりました。ソ連は中共を選び、アメリカや日本は中華民国を選びました。

1979年にアメリカのニクソン大統領は、中共を承認して外交関係を樹立し、日本なども追随しました。そこで中共は「一つの中国」の原則を持ち出し、その履行をアメリカや日本に迫りました。日本は中共の主張に屈して中華民国を見捨てたのですが、アメリカは屈しませんでした。

アメリカは、中共の主張する「一つの中国」という主張をrecognize(事実であると認める)しておらず、Acknowledge(承知)したと言っています。Acknowledgeは、「お前の言い分は分かった」という意味で、承認したという意味はありません。

そして「台湾関係法」を制定し、中華民国を従来通り実質的な国家として扱うことにしました。要するにアメリカは、台湾は中共の領土ではない、と考えているのです。

昨年アメリカの議会は、「台湾旅行法」を制定しました。これは台湾とアメリカの双方の要人が自由に行き来できることを決めたもので、実質的に国交を始めたということです。そして世界中が、この動きに追随しつつあります。

日本のマスコミは、アメリカが台湾に対する基本姿勢を変えたと報じていますが、それは誤解です。アメリカは、台湾は支那ではない、と一貫して考えています。

台湾が歴史的に支那の一部であったことはありません。その実態を無視して中共も中華民国も「一つの中国」を主張したので、日本人は実態が分からなくなっただけなのです。

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