正しい法によって支配されていれば、民主制でなくても良い
アリストテレスは、国民のみんなが納得する法に基づいて政治を行うのであれば、一人で政治をやろうがみんなでやろうが大した問題ではない、と考えていました。そしてみんなで政治を行う場合でも、衆愚に陥る場合を「民主制」としています。
アリストテレスは、国民のみんなが納得する法に基づいて政治を行うのであれば、一人で政治をやろうがみんなでやろうが大した問題ではない、と考えていました。そしてみんなで政治を行う場合でも、衆愚に陥る場合を「民主制」としています。
100年の間に世界中で女性も含めた全ての成人国民が選挙権を持つようになったのは、民主主義がよりよい政治を保障するからという理由ではなく、戦争に勝つためでした。
イギリスの政治制度は、「国王は君臨すれども統治せず」というように一般に理解されていますが、イギリス王は我々日本人が思っている以上に政治的な力を持っています。19世紀後半のイギリスのヴィクトリア女王は、嫌いな政治家を総理大臣に任命することを、最後まで承認しませんでした。
昭和天皇は、実際の政治については議会や大臣・重臣の決定に最終的には従うべきだ、と考えておられました。その一方で自らが主権者だという自覚がおありだったので、ご自分の意見を積極的に述べておられました。
「大正時代以後は、国民により選挙で選ばれた政党大臣を出し政治を行っていたので、天皇陛下は政治に一切口を出されなかった」と私は学校で教わりました。しかし『昭和天皇独白録』を読むと、昭和天皇はけっこう政治的な発言をされています。
移民の流入を嫌がったイギリスでEU離脱論が起こり、2016年にその賛否を問う国民投票が行われました。EUから離脱すると関税が復活するなどイギリスは経済的に不利になるので、イギリス国民はEU離脱を望まないだろう、と多くのマスコミは予想しました。ところが蓋を開けてみると、EU離脱派が勝ってしまいました。イギリス人は少々の経済的不利益を受けても移民を排斥するほうを選んだのです。
移民に寛大なグローバリスト・経済的自由論者も、移民を排斥する民族主義者・保守派も、共にキリスト教の信仰から生まれたFreedomに基づいて、彼らの主張を組み立てています。発想の根っこは同じですが、その解釈が違うので、正反対の結論がでてしまったのです。
仲間を助けようという隣人愛の心からすることであれば、既存の法律や価値観を破っても構わない、というのがFreedom(自由)の考え方です。製品を安く売って仲間を助けるためであれば、民族という枠組みを壊してもやむを得ないという考え方も、成り立つのです。
前回は昔から地元に住んでいた国民が移民をどう見ているかを書きましたが、今度は移民たちが何を考えているかを考えてみます。 生活の厳しい故...
このグローバル主義の影響によって、外国人労働者の扱いが少しづつ変わってきました。外国人労働者は期限が来たら帰国することが前提になっていたので、家族を連れてくることは認められていませんでしたが、後に家族を呼び寄せることができるようになりました。