大量に入り込んだ移民によって大問題が次々と起きてきたので、西欧の国民もグローバル主義や経済的自由の考え方に疑問を持ちました。そして、「安い製品を売るのは仲間を助けるためではなく、多国籍企業の経営者や株主が儲けるためにやっているだけではないか」、と考えるようになりました。
「イエス・キリストと同じ正しい心で、仲間を助けるためにやる」というのが、Freedom（自由）が成立する前提条件です。自分が儲けるという利己心で始めたことには、Freedomの考え方は適用されません。Freedomの前提条件がなければ、「既存の法律や慣習を破っても構わない」というのも成立しません。従って、自分たちの生活と文化を破壊するようなことなど、認められません。
こうなると西欧人たちは、移民たちに対して、別種のFreedomの考え方を適用するようになります。Freedomが成立する条件は、「イエス・キリストと同じ正しい心を持っていること」です。
移民たちは西欧社会に溶け込もうとせず、仕事をしないで昼間からブラブラしたり、女性を強姦したりしています。そもそも彼らの多くはイスラム教徒でイエス・キリストを信じていないので、「イエス・キリストと同じ正しい心」を持っていません。
移民たちは前提条件を満たしていないので、彼らにFreedomを認めることはできません。従って彼らに「居住の自由」はなく、西欧社会に住み着く権利などないのです。
移民に寛大なグローバリスト・経済的自由論者も、移民を排斥する民族主義者・保守派も、共にキリスト教の信仰から生まれたFreedomに基づいて、彼らの主張を組み立てています。発想の根っこは同じですが、その解釈が違うので、正反対の結論がでてしまったのです。
双方の主張はそれぞれ、宗教的確信に基づくものなので非常に頑固であり、移民の実益や実害を比較して判断できるような単純な問題ではありません。