簡単に改正できる憲法がたくさんある

日本は、同盟国が攻撃されれば自分の方から助太刀に行く義務を負う、という内容の「まともな軍事同盟」を締結しなければならない状態に追い込まれています。しかし、その障害として立ちはだかるのが、「日本国憲法」です。自衛のための戦争でさえろくにできないのに、助太刀に行くことなど、この憲法下で出来るはずがありません。

世論調査をしても、第9条の改正に賛成する国民がかなり増えているのに、憲法改正が実現していません。それは「日本国憲法」が、改正要件を非常に厳しく規定しているからです。衆議院と参議院のそれぞれで、総議員の2/3以上の賛成を経た上で、国民投票で過半数の賛成を得なければなりません。

これほど改正要件が厳しい憲法は他にありません。ドイツは、衆参両院のそれぞれで2/3以上の賛成を得る、という条件だけで国民投票は不要です。このように容易に出来るので、戦後60回も憲法が改正されています。

フランスは、両院のそれぞれで過半数の賛成を得た後に、国民投票で過半数の賛成を得れば改正できます。国民投票の代りに両院合同の会議で60%以上の賛成を得ればよい、という方法もあります(第五共和国憲法)。

そもそもフランスは、1789年に起きたフランス革命以来、革命やクーデターが何回も起き、政体が何度も変わりました。1958年にドゴール将軍がクーデターを起こして樹立した新しい体制(第五共和制)が、今まで存続しています。

政体が変わるたびに、古い憲法が廃止され、新しい憲法が制定されています。つまりフランスには憲法改正手続きが二種類あるということです。大きな改正が必要な時は、革命やクーデターでドンパチやって武力で古い憲法を葬り、その後で国民投票を行って合法的な装いをして新憲法を制定します。細かい改正は、その憲法で規定した改正手続きによって行われます。第五共和制の61年間で24回の細かい憲法改正が行われました。

アメリカの連邦憲法改正には、国民投票は不要です。上院・下院それぞれの2/3以上の賛成が得られたら、連邦議会は各州に憲法改正の発議をします。3/4以上の州が改正案に賛成すれば、憲法は改正されます。今まで18回改正されています。

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