「日本国憲法」は国際条約なので、簡単に廃棄できるという説

「日本国憲法」は、大日本帝国憲法が改正されたものだという形式になっていますが、第75条に違反しているので、無効です。無効ということは、昭和21年から今までの73年間無効だということで、その間の日本の憲法はずっと大日本帝国憲法だ、ということです。

73年の間、日本は「日本国憲法」を前提として様々な政府活動を行ってきましたが、無効となるとそれがすべてひっくり返ります。例えば、裁判も国会議員選挙も全て「日本国憲法」の存在を前提にしています。その間の「法的安定性はどうなるのだ」というパニックが起きます。

そこで南出先生は、「日本国憲法は実はアメリカとの間の国際条約なのだ」という助け船を出して、法的安定性を確保しようとします。ここが彼の説のユニークなところです。やはり法律の専門家らしく、法的安定性を考慮した結果だと私は推定します。

法律にはいろいろなランクがあって、その間に強弱があります。一般的には、憲法 - 法律 - 官庁の省令 という順番になっていて、上位と下位の間に矛盾があるときは、下位の法律は矛盾する部分が無効になります。

では国際条約と憲法の関係はどうなるかというと、かなりややこしいのです。特定の法律が憲法には矛盾するが、条約には合致する場合、条約が優先するというのが多数説です。

大日本帝国憲法 - アメリカとの条約(日本国憲法) - 法律

現在の法律が大日本帝国憲法に反していても、アメリカとの条約(日本国憲法)に合致していれば有効です。このようにして、大日本帝国憲法と現在の法律の整合性が保たれます。

「日本国憲法」は日本とアメリカとの国際条約ですから、衆参両院の過半数の賛同で廃棄でき、国民投票は不要です。その時まで条約は有効なので、過去にさかのぼって無効ということもありません。

条約(「日本国憲法」)破棄後に、混乱が起きないように、大日本帝国憲法の改正と従来の法律の改正という立法処置をしていけば良いのです。以上が、南出弁護士の説の概要です。

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