自民党は、まじめに憲法改正する気がなかった

自民党は、憲法改正が「党の使命」だと宣言しています。ところが結党(1955年)以来64年間、その使命を果たしていません。それは自民党政権が憲法第9条を外交に利用してきたからです。

アメリカ占領軍が「日本国憲法」を無理やりに被占領国である日本に作らせたのは、敗戦翌年の1946年(昭和21年)でした。この時のアメリカは、日本を農業国のままに留めておき、産業復興は「賠償金を払える程度」に抑えておこうとしました。だからこのようなおかしな憲法を作らせたのです。

ところがその後、東西冷戦が始まり、朝鮮戦争が起き、アメリカは日本を経済的に復興させ、軍事的な面でも日本を利用しようと、方針を大転換しました。日本に再軍備を迫ったのです。ところが日本の経済的復興を優先する吉田茂総理はアメリカの要請を断って日本軍を復活させず、自衛隊の創設でお茶を濁しました。

その理由として使ったのが、憲法第9条でした。以後自民党政権は、アメリカから軍事的な協力の要請があるたびに、9条を使って断ってきました。だから自民党はまじめに憲法改正をやる気がなかったのです。

安倍総理は本気になって憲法改正しようと思っているようですが、党内の抵抗に遭ってうまく行っていないようです。そして9条の条文をそのまま変更せずに3項を追加しようという案にまで後退しています。この3項追加はかえって現状を悪化させるので、私は反対です。

自民党内には、「今までこれで大過なくやってきたのだから、この状態でいいではないか」と考えている者も多くいるようです。

第9条
1項:戦争と、武力による威嚇は、永久にこれを放棄する
2項:軍隊を保持しない。国の交戦権は、これを認めない
3項:自衛隊は合憲である(追加予定)

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