財務省は、阿部総理を守るために公文書を改ざんしたわけではない

森友問題の特殊性は3種類あります。
1)売却した土地自体の特殊性
2)売却した相手の籠池さんが極めてめんどくさい人物だったという特殊性
3)多くの政治家が陳情を受けて口利きをし、森友学園の幼稚園の名誉園長を阿部首相の夫人が勤めていたという特殊性

前近畿財務局の局長だった佐川さんはこの3種の特殊性をよく把握しておらず、1年前の国会答弁で、近畿財局の職員と籠池さんの間で価格交渉はしなかった、籠池さんとの交渉記録は廃棄した、与党の国会議員からの不当な働きかけはなかった、などと気楽な答弁をしました。

実際とは異なる佐川さんの国会答弁に困惑した財務省は、決裁文書の添付書類の中で、国会答弁と異なる事実を記載した部分を削除したわけです。この公文書の改ざんは近畿財務局の職員たちが勝手にやったことではなく、東京の本省の理財局が近畿財務局に指示して行わせていたようです。

財務省の理財局と近畿財務局だけでなく、財務省全体がこの改ざんに関与していた疑いもあります。別に財務省は阿部総理などの政治家をかばうために文書から政治家や昭恵夫人の名前を削除したわけではなく、財務省の組織を守るためにしただけです。

もともと阿部総理と財務省の仲は決して良くありません。財務省は消費税を来年10%に値上げしようとしていますが、これは阿部総理が主導しているアベノミクスと対立するものです。

さらに財務省は、国の借金が1000兆円を超えているとウソをついて、積極的な財政出動に反対し緊縮財政を主張していますが、これもアベノミクスに反します。

このように財務省と阿部総理は仲が悪いので、財務省が阿部総理をかばうために、決裁文書を書き換えるなどというリスクを犯すはずがありません。実際、財務省は公文書改ざんの事実があったことを、阿部総理の盟友である麻生財務大臣になかなか報告しようとしませんでした。