国有地を森友学園に売却した案件は、きわめて特殊な事例でした。近畿財務局で作成された決裁書類の添付資料には、どういう風に特殊だったのかが書かれていました。
この案件には、3種類の特殊さがあります。
1)売却した土地自体の特殊性
2)売却した相手の籠池さんが極めてめんどくさい人物だったという特殊性
3)多くの政治家が口利きをし、森友学園の幼稚園の名誉園長を阿部首相の夫人が勤めていたという特殊性
売却した土地自体の特殊性というのは、この土地がいわくつきのややこしい土地だったということです。この土地はもともといわゆる「部落」でした。関東の人はこの問題にピンと来ないかもしれませんが、関西の人はこれを聞いただけで、「この土地はよほど安くしないと売れないな」と感じると思います。
戦後すぐの時は、この土地は池のような湿地帯で、ゴミが不法投棄されていました。森友学園が買おうとした土地も、地下9メートルまでゴミが埋まっていました。
ゴミ処理業界は部落民や在日さらにはやくざがからんでいて、非常にややこしいです。土地を買った後で地中から変なものが出てきたら、ゴミ処理業者の責任を買主が問うことになりますが、このようなややこしい業者を相手にするのは大変です。実際、この土地は有害物質に汚染されています。
この土地の売却価格は9.5億円なのですが、ごみ処理費用8.2億を相殺したので、最終的に1.3億円になりました。この8.2億円は、実質的には値引きです。森友学園はゴミをそのままにして費用をかけず、その上に学校を作ることもできるからです。
この土地の隣は野田中央公園です。国有地を豊中市が買い取って公園にしたのですが、元々の値段は14.2億円でした。しかし、売る側の国も買う側の豊中市もそれだけの価値のある土地ではないことが分かっていたので、補助金を14億円つけて最終的に豊中市が払ったのはたったの0.2億円でした。なお、この土地の売買に口利きをしたのが立憲民主党の辻本議員で、彼女は当時国土交通省の副大臣でした。
そういう意味では、籠池さんが最終的に同意した購入価格の1.3億円は、高すぎるかもしれません。