日本国憲法の第9条2項の削除は、非常に抵抗が大きく実現が難しい状況です。その一方で、日本に対する安全保障上の脅威はますます大きくなっているので、このままでは時間切れになる恐れもあります。
日本の安全保障が袋小路に迷い込んでしまったのは、65年前の日本が占領状態から独立を回復した時に、ボタンを掛け間違えたからです。「日本国憲法など成立していない」と宣言しなかったことに原因があります。
日本国憲法が成立していないことなど、歴史に対する洞察力と初歩的な法律の知識及び健全な常識さえ持ち合わせれば、すぐに分かります。それに故意に目をつぶり、議論の焦点を9条の解釈などという細かいことに合わせたために、おかしなことになるのです。
日本国憲法など成立していないのだから、9条など無視すれば良いのです。そして「国家は、何のためにあるのだ」と基本に戻って考えれば良いのです。国家とは、「国民から税金を頂いて、その金で国民を守る仕事をする組織」というだけの事です。
このような大雑把な説明で満足できないのであれば、社会契約説からでも、自由の考え方からでも説明できます。そしてどれも同じ結論になります。
もともと人間は自分の身を守る自衛権を持っていましたが、一人だけでは効率が悪いのでみんなで集まって国家を作り、自分たちの身を守る仕事を国家に委ね、必要なお金を税金として国家に納めることにしたのです。このように考えるのが社会契約説です。
税金だけ徴収して国民を守ろうとしない国家を、誰が作ろうとするでしょう。戦力を否定した国家など、社会契約説では考えられません。