日本国憲法第9条第2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」という規定によって、日本は七転八倒してきました。
どこかの海賊船が日本沿岸を襲い日本人を拉致したのなら、日本の警察はこの海賊船を拿捕し日本人を取り戻すことができます。ところが北朝鮮による日本人拉致は、これとは法律的事実が異なるのです。
今から15年前に小泉首相が北朝鮮を訪問し、首領の金正日と会談しました。その時に北朝鮮の首領は日本人13人を拉致したことを認め、「遺憾なことであり率直におわびしたい。私が承知してから関係者を処分した」と発言しました。つまり「日本人拉致は北朝鮮という国家がやった」と宣言したわけです。国家としての北朝鮮に文句があるなら、日本は国の交戦権を発動しなければなりません。ところが9条2項により、これができないのです。
尖閣諸島周辺の領海に侵入している支那の「漁船」は、支那の国旗を揚げています。普通、漁船は国旗など掲げていません。支那の「漁船」は、自分から支那の軍艦であることを誇示しているのです。相手が軍艦であれば、それを排除することは「国の交戦権の行使」にあたるのです。
南朝鮮が従軍慰安婦問題などの捏造で日本にからんでいるのも、竹島を不法に占拠しているのも、日本が「国の交戦権」を行使できないことを知っているからです。このように支那も南北朝鮮も、日本国憲法9条2項の利用価値を熟知しています。
「国の交戦権を認めない」という規定は、何十万という軍隊どうしが正面から激突する場合だけでなく、上記のような「やくざのいいがかり」の場合にも使えるのです。
9条2項を削除するだけで、漫画のような事態は起こらなくなります。いざというときに日本が武力を発動する、と相手に思わせるだけで十分効果があります。この項を削除しても戦争が起きる確率が高まるのではなく、むしろ低下します。