「AIを搭載したロボットが人間を滅ぼしてしまう」という説にはうさんくさい部分があるので、反対説も当然あります。日本のAI専門家が書いた著書を読んでみると、多くはこの説を疑っています。彼らは大学の先生なので、はっきりした証拠がないことを断定はせず、疑問を呈しているという態度です。
「AIを搭載したロボットが人間を滅ぼしてしまう」という説の賛否は、唱えている人の立場の違いを反映しているのかもしれません。熱心に主張するのは主として巨大IT企業の創業者や実務家で、疑問視しているのが証拠とか証明を要求する学者です。
私はド素人で何の専門知識もないので、どちらとも判断できずうろうろしていました。ちょうどその時に、「AIを搭載したロボットが人間を滅ぼしてしまう」という説を明確に否定する学者を発見しました。そこでこの学者の言っていることを紹介します。
ジャン=ガブリエル・ガナシアは、『そろそろ、人工知能の真実を話そう』を書いて、「ロボットが人間を滅ぼすことなど無理だ」とはっきり言っています。彼は、パリ第六大学のコンピュータサイエンス教授で、人工知能に関する研究所のトップを20年以上やってきました。
「ムーアの法則」は、インテルの創業者であるゴードン・ムーアが唱えた説で、「コンピュータに搭載されている集積回路(マイクロプロセッサー)の処理能力は、およそ2年ごとに倍増していく」という法則です。実際に1960年代から40年以上、この法則通りにコンピュータの能力は急激に増大し続けていました。
「AIを搭載したロボットが人類を滅してしまう」説は、「コンピュータの計算能力が今後もこのままのスピードで増大すれば、何十年か後にはAIの知能が人間を凌駕する」と考えるもので、「ムーアの法則」に立脚しています。ところがガナシア先生は、「ムーアの法則は成立しない」と断言しています。
コメント
ロボットの反乱について調べてたら行き着きました。
2,3年前のことなのでうろ覚えなのですが、集積回路の3次元化が進みムーアの法則は今後も成り立つだろうみたいな記事を読んだことがあります。
昔の投稿なので、今はすでに知ってるかもしれませんがお伝えしたかったので投稿しました。