中国は社会主義国家ではない

私は、中国が内外で人権を侵害しているのは、主として中国人の伝統的な考え方から来ている。だから、共産党を潰しても、中国は変わらないのではないか、と思っていました。

このように考えていた時に、『巨大中国を動かす紅い方程式 ― モンスター化する9000万人党組織の世界戦略』という本を見つけました。著者の中川コージ博士は、慶應義塾大学の商学部を卒業後、北京大学大学院で6年間にわたり国際経営戦略を学び、日本人で初めて経営学の博士号を取得しました。彼は、本の冒頭で、中国共産党を次のように説明しています。

彼らは「中国」でも「共産」でもなく、東アジアの一部を地場とした成長生存本能むき出しの世界最大のリアリスト組織であって、そのサブ概念として「国家」やら「イデオロギー」やら「漢族源流の文化」を付帯させているにすぎません。

国家システムや社会主義イデオロギー、民族意識といったものは、この彼ら組織にぶら下がっているだけなんです。党が活用している概念にすぎなかろうというわけです。各方面の先生方からは、中川は分かっとらん、と怒られそうですが、この見方はシンプルで使いやすいとは思います。

ですから、拡大成長を続ける効率化と生産性向上の鬼と化した党に対して、ソ連の幻影がまとわりつく「社会主義国家だ!」などと揶揄したところでナンセンス。それは50年遅れの我々陣営のカウンター概念になっています。

日本国内の言論でも「中華人民共和国」という国家システムの問題点、いわゆる中華思想的な排他主義の問題点や、「中華人民共和国内の中国共産党」という国内執政党の問題点などが、「権威主義国家であり、世界の常識と異なる後進国」と批判されているのを散見します。

確かに我々日本人が一般的に持っているオーソドックスな合意形成のとれた国家や政党といった概念においては、チャイナは「後進国である」と捉えられるのだと思います。が、それは自由民主主義が最先端であるという立場から、チャイナという理解しがたいものを非常識or後進的と断罪してシャットアウトした思考です。

このように中川先生は、今の中国共産党は社会主義を信奉などしておらずリアリストだ、と断言しています。

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