国家は悪いことをする、は出家僧の発想

以前に、今の日本で起きている様々な問題は、大乗仏教の使い方を間違っていることが原因だ、と書きました(仏教の使い方が間違っている)。今からその問題の一つ一つについて、大乗仏教がどのように絡んでいるかを、説明していきます。

今の日本には、「国家は悪いことをする」と考えている人が大勢います。悪いことをする国家に強大な力を与えてはならず、すぐに戦争をするから国家に軍隊を持たせてはならない、と考えるのです。日本という国家は日本人が作っているわけですから、「国家は悪いことをする」と考える日本人は、自分たちを信用していないわけです。

このような考えが生まれるきっかけを作ったのはアメリカ占領軍のWar Guilt Information Program(日本は戦争で悪いことをやったという罪悪感を日本人に植え付ける政策)です。しかしアメリカの日本占領は66年前に終了しました。それでもなお、この政策は一部の日本人によって受け継がれています。それには何か理由があるはずです。

仏教の経典は、出家して社会を離脱することがどれほど素晴らしいことか、また俗世間がいかに低俗な欲望に満ちているかということを、大いに力説しています。

だから「俗世間は汚辱に満ちており、そこに住んでいる未熟な者たちが集まって国家を作っている。従って国家は悪いことをする」ということを、出家して山の中に一人で暮らして修業している僧侶が他人事として考えるとしても、不思議ではありません。

たとえ僧侶がこのようなことを考えても、それを話す相手が周囲にいないので、これが世間に広まることはありません。ところが俗世間にどっぷりと浸かっている人がそういうことを言うと、すぐに世間に広まります。これが今の日本なのです。

アメリカ占領軍が日本人に植え付けた「国家は悪いことをする」という考え方を拡大再生産し、今でも日本人を洗脳し続けているのは、俗世間にどっぷりと浸かっているのに、「自分は中立の立場で社会を客観的に見ているから、何が正しいかを知っている」と勝手に考えている人たちです。

そういう人たちが教育界やマスコミ界に大勢います。彼らは高等教育を受け宗教にはまるで関心を持っていませんが、実際には大乗仏教の出家僧の発想でものを考えています。

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