近年、皇室に若い男子がお生まれにならないことから、女系天皇を認めようという意見が強くなっています。内親王(天皇陛下のお嬢さんあるいは孫娘)が一般の男性と結婚して、その間に生まれたお子さんが天皇になられたとき、その天皇陛下は女系天皇になります。女系天皇とは、父方の血筋が皇室ではない天皇陛下のことです。
例えば今上天皇陛下のお嬢さんに紀宮清子内親王がおられます。この方は一般人の黒田慶樹氏と結婚され、皇室を離れて黒田清子さんになりました。現在このご夫婦の間にお子さんはいらっしゃいませんが、仮にお子様が生まれたとして、その方が天皇になられたら、女系天皇になります。この天皇陛下は父方の血筋からいうと、皇室の血筋ではなく、黒田という別の血筋です。
歴史上、何人か女性天皇はおられましたが、女系天皇は出ていません。例えば、持統天皇(うののささらの姫皇女)は女性なので女性天皇でした。しかし父親が天智天皇であり父方の血筋は皇室なので、女系天皇ではありません。
女系天皇を容認する意見は、男女平等の考え方から来ています。天皇陛下のお子様であれば男性も女性も同じ資格を持つべきであり、女性天皇のお子様であれば父親が誰であっても天皇になれるはずだ、と考えるのです。
女系天皇を認めたら日本は不幸になる、と私は考えています。天皇陛下は、父方が皇室の血筋の方に限られるべきです。敗戦と同時に、多くの宮家が廃止になり皇籍を離脱しましたが、その家族には若い男子が何人かおられます。この方々を皇室に戻せば、問題は解決します。