アメリカは日本を守らないのではないか

ウクライナ戦争の原因は非常に複雑であり、どちらか一方が悪くもう一方が犠牲者だというように決めつけても意味がない、と思っています。ロシア人でもウクライナ人でもない日本人が、外野からこの戦争に感情移入しても仕方がありません。犠牲になったウクライナ人に対しては、個人的にできる範囲で、日本の国益に反しない範囲で、支援するしかないと考えます。

ロシアが戦術核や生物兵器を使うという可能性が語られています。ロシアがウクライナに核爆弾を落とすと、バイデン政権は困った立場に追い込まれます。彼らは核兵器を持っている国と戦争して自国に核爆弾を落とされることは避けたいと思っています。だから今回の戦争ではアメリカ軍は参戦しないと言っていました。ところが、ロシアがウクライナに核爆弾や生物兵器を使うと、世論がアメリカの参戦を求めます。こうなってもアメリカが参戦しないとなると、「アメリカは口だけだ」と思い、同盟国はアメリカを信用しなくなります。

そこでバイデン大統領は、「アメリカは、核戦争をしてまで同盟国を守る気がない」ということが明白にならないように、ロシアが核兵器や生物兵器を使う前に停戦をしようと考えているようです。ウクライナをNATOに入れないというプーチンの最低限の要求を受け入れる形で、停戦交渉が進んでいるようです。

今、世界の枠組みがものすごい勢いで壊れつつあります。
1,アメリカは同盟国を最後まで守ろうとはしません。日米安全保障条約は日本の安全を保障しません

2,世界の平和に責任があるはずの国連の常任理事国であるロシアが、他国に攻め込みましたが、国連はこれを阻止できません。国連は役に立ちません。

3,「国連の常任理事国だけが核兵器を持つが、持つだけで実際には使用しない」という世界のルールは、今まではまがりなりにもありました。しかしこれが本格的に崩れます。そうなると、今後多くの国が核兵器を持って自国を守ろうとするようになるでしょう。

このような世界の変化を感じ取って、いま日本国憲法9条を改正して軍事力を増強し、日本の安全を自前で確保しようという世論が高まっています。しかしこれにはいろいろ問題があります。

1,日本国憲法の第9条を改正するには、不可能に近い条件が付されているので、改正が容易ではありません。自民党は憲法改正を目的にして67年前に結成された政党ですが、いまだに実現できていません。このままでは、手遅れになる可能性が大きいです。9条を守ろうとしている人は、合理的な説明にも耳を傾けようとしない傾向があります。

2,第9条以外にも日本国憲法には、おかしな部分が多いです。日本国憲法の存在全体が日本のために良くありません。

3,さらにこの問題を掘り下げていくと、日本国憲法など適法に成立していないことが分かってきます。ありもしない日本国憲法の幻に日本人が苦しんでいるのです。このことを多くの日本人が知れば、問題は簡単に解決します。

日本国憲法は成立しておらず、9条のような日本の軍備禁止する規定も本当は存在しません。日本人は76年間、日本国憲法という幻に囚われて苦しんできました。日本は成文憲法典がない状態で、これはイギリスと同じです。イギリスにも成文の憲法典がありませんが、イギリス人は全く困っていません。

1月末に、「市川隆久の誠チャンネル」というユーチューブの動画チャンネルがバンされ、一部の動画が削除されました。私はこの機会にかねがね憲法について疑問に感じていた問題を調べ始めました。これが済んでから、チャンネルをリニューアルする形で動画を再開し、憲法問題も論じようと、思っています。

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コメント

  1. 日野 精三 より:

    (狡兎死して走狗煮らる)の通り日本が 米国本土防衛に有効である間だけ 米国は 日本を守り利用しますが、その後は 数々の欧米歴史が示す事実のように、日本は孤立無縁になります。 外交力では 侵略を阻止できません。 外交は 軍事力を背景にしており、ロシア、中国、北朝鮮 等は、保持している 核戦力で 敵対国を 外交を通うじて 威嚇します。
    (ケネディー米国元大統領が いみじくも言ったように (It is an unfortunate fact that we can secure peace, only by preparing a nuclear war.). そして、Diplomacy is a continuation of war by other means. です。 言葉での説得で平和は得られない。 とすれば、日本は、核武装するか、相手の各兵力を即時 無力化する 手段を持つ必要あります。