「バイデンは間抜けだ」とトランプは言った

ジョージ・ケナンなど多くのアメリカの知識人が、「NATOを東欧諸国に拡大しロシアの安全を脅かしたら、ロシアは暴発する」と警告していました。それにも関わらずバイデン大統領は、「ウクライナをNATOに加入させない」とプーチンに確約することを拒否しました。その結果、ロシアはウクライナに攻め込みました。

このように書くと、私がアメリカを批難することでロシアの肩を持っているかのように見えるかもしれませんが、そうではありません。私はロシアが好きではないし、77年前の敗戦時に行った日本人への蛮行を忘れていません。しかしそういうこととは関係なく、今回の戦争にはアメリカにも大きな責任がある、ということを言いたいのです。

また、ウクライナのプチャでロシア軍が集団虐殺を行ったという報道に言及する気もありません。納得できるような証拠が出てくるまでは、ウクライナ政府の発表を信用しません。32年前の湾岸戦争の時、イラクが大量破壊兵器を隠していることを口実に、アメリカ軍はイラクに攻め込みましたが、結局そのような兵器はありませんでした。イラク軍によって海が汚染され海鳥が油まみれになったという画像が流れましたが、これもフェイクでした。このことを思い出して下さい。

さらに言えば、国際法に違反して一般市民を殺害している事を糾弾するのであれば、まずは広島・長崎に落とした原爆や東京大空襲などの蛮行で日本人が数十万人殺されたことを取り上げなければなりません。しかしこれには一切触れず、ブチャの400人の殺害だけにしか言及しない報道姿勢に違和感を持ちます。

元ウクライナ大使で、外交にもウクライナ情勢にも詳しい馬淵睦夫氏は、下記のようなことを述べています。
「アメリカは、ロシアはけしからん。ロシアがウクライナに侵攻したら経済制裁をする、と言い続けてきた。このような外交のやり方は異常で、どこの国も普通はしない。本当に戦争になりそうであれば、裏で静かに交渉をする。
ヨーロッパはアメリカの態度に困っていた。安全保障に影響があるのはヨーロッパであってアメリカではない。アメリカは遠くから無責任に煽っているだけだった。ゼレンスキーはアメリカとヨーロッパの間に入って苦悩している。ゼレンスキーは当事者能力がない。日本の政府もマスコミも国際法をロシアは破ったと言っているが、ミンスク合意を破ったのはウクライナだ。」

このように馬淵元ウクライナ大使は、「戦争を仕掛けたのはアメリカだ」「ロシアがウクライナに侵攻してもアメリカは参戦しないとバイデンが言ったが、これは明らかにロシアに侵攻をけしかけている」と言っています。

トランプ大統領も下記のように同じようなことを発言しています。
「私が大統領ならウクライナ侵攻は起きなかった。問題はプーチン氏が賢いことでなく、われわれの指導者が間抜けなことだ。」

アメリカの民主党やマスコミはロシアのプーチン大統領を悪党だと言っているのに対し、トランプ大統領は、かつてのソ連と今のロシアは違うと考え、プーチン大統領に対して融和的な態度をとっていました。ロシアを追い詰めたら暴発することを良く分かっていて、プーチンを追い詰めないように注意していました。

バイデン政権は、プーチンが暴発することが分かっていてわざと彼を挑発しました。なぜそのような挑発をしたのか、ということについては多くの人が様々に推測しています。私の推測の結論だけを簡単に述べます。

ロシアはエネルギーや地下資源が豊富で、食料も自給でき、自国を守るだけの強力な軍事力を持っています。中国のように外国と貿易をしなければ生きていけないという弱点がなく、自給自足で生きていける国です。

世界中がアメリカの経済力・価値観に圧倒されている中で、ロシアだけは独自性を維持しており、その国の大統領がプーチンというグローバル主義に反対する民族派です。アメリカの支配層はこれが我慢できず、ロシアを支配してその民族固有の伝統を破壊し、アメリカの価値観と経済的支配を押し付けようとしたのだ、と私は考えます。

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