皇族の結婚は、「両性の合意にのみ基づく」ものではない

秋篠宮家の長女の眞子内親王殿下と小室圭氏との結婚問題の話をします。国民の多くが二人の結婚に否定的なため、頓挫している状況です。まずは、経緯を簡単に書きます。

2012年 二人の交際開始
2017年9月 婚約を発表。その後、小室氏が定職に就いておらずまだ学生の身分であること、及び母親の金銭的スキャンダルが浮上し、世論が結婚に否定的になった

2018年2月 納采の儀を2年延期することを発表。納采の儀は一般の結納にあたり、これをすますことによって正式に婚約したことになる。いまだ納采の儀は行われていないので、二人は婚約の内定という状態にある。
父親の秋篠宮皇嗣殿下が「納采の儀を行うことが出来ない」旨を二人に伝えたためだが、表面的な理由は、「十分な準備を行う時間的余裕がない」

2020年11月13日 眞子内親王殿下が会見
結婚に否定的な人がいることは承知している
結婚は私たちにとって生きていくために必要な選択である
会見の前に、天皇陛下と上皇陛下に話す内容をご報告したが、私の気持ちを尊重してくださった

2020年11月20日 秋篠宮皇嗣殿下が会見
二人の結婚は認める。憲法にも、結婚は両性の合意のみに基づくものだという規定がある。親としては本人の気持ちを尊重すべきと考える
決して多くの人が納得し喜んでくれている状態ではないと思っている。小室氏は、一般の人に理解してもらうように説明する必要がある。
婚約と結婚は別である

最後の「婚約と結婚は別である」というご発言は、「正式の婚約である納采の儀は行わない」という意味だ、と一般に理解されています。明治天皇の玄孫にあたる竹田恒泰氏は、下記のように説明しています。

眞子内親王殿下と小室圭氏の結婚を多くの国民は納得していない。二人が結婚すれば、皇室の権威は大きく傷つく。納采の儀は皇室の儀式であるから、これを行えば皇室がこの結婚を認めたことになり、累が皇室に及ぶ。納采の儀を行わないことにより、この結婚と皇室を切り離すことができる。下世話に言えば、「勝手にせい。後は知らん」ということである。

伊吹元衆議院議長は、下記のように発言しています。
1、父親としての娘に対する愛情と、皇嗣という者のお子様である者にかかってくるノブレス・オブリージュとしての行動と両方の間の、相剋のようなつらい立場に皇嗣殿下はあられるんだなと思った
2、皇族は法律的には日本国民ではないから、眞子さまと小室圭さんの結婚等について、結婚は両性の合意であるとか、幸福の追求は基本的な権利であるとかいうことは、法的にはちょっと違う
なお、「ノブレス・オブリージュ」はフランス語で、「高貴の義務」「社会的地位の高い人には、大きな義務がある」という意味で、普通の庶民には許されても高貴な人には許されないことがある、ということです。

伊吹氏は、上記の二つの理由により、皇族は個人の一存で結婚を決めることができない、主張しています。

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