消費増税は、企業の法人税負担を減らすのが目的

・          1989年      1997年      2014年
消費税率        3%        5%         8%
消費税額              3兆円        9兆円               16兆円
法人税率              40%               37.5%             25.5%
法人税額             19兆円             13兆円             11兆円
所得税            21兆円         19兆円         17兆円

10月から消費税が10%に値上げされました。これに対して財務省だけでなく企業経営者も増税に賛成しています。消費増税をすれば売上が減少するので、企業経営者は反対のはずなのに、変だなと思っていました。

そこで過去の国税収入を調べてみたら、消費税を増やした分、法人税が下がっています。つまりこの表を見て分かるのは、法人税を下げるために消費税を増やしているということです。だから企業の経営者たちは、消費増税によって日本の景気が悪くなることが分かっていても、自社の税負担を減らす方を優先しているのです。

ハイエクは、社会主義体制では、表向きは国民全体のためと言いながら、実際は特定グループの利益のために政府が動くことが多い、と指摘しています。この消費税増税は、まさにこの典型例で、社会主義政策そのものです。

確かに日本の法人税40%は世界的に見ても税率が高いので、企業の競争力強化のためには法人税の低減は必要です。しかし、法人税を下げたら、歳出もそれに合わせて減らすべきで消費税で穴埋めすべきではありません。

トランプ大統領も法人税率を下げましたが、その穴埋めに消費税を上げたりはしていません。そもそもアメリカでは消費税は地方税で、連邦の歳入にならないのです。彼は法人税を下げることで、企業活動を国内に呼び戻して米国内の企業利益を増やし、法人税総額は従来の水準を維持しようという考えです。

日本経済は、消費税を上げるたびに、景気が悪化してきました。バブル崩壊後、日本の経済体制は、社会主義化しているようです。そしてハイエクが主張するように、政府が市場に介入する社会主義では、経済運営はうまくいきません。

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