Freedomとは、「イエス・キリストと同じ正しい心で判断した」「仲間を助けるためにやった」という二つの条件をクリアーしていれば、法律を破っても構わない、という考え方です。この考え方は単に教義だけの上の話ではなく、実際に社会に大きな影響を与えました。
16世紀のイギリスで国王のヘンリー8世は、自分の離婚問題を解決するために、カトリック教会と絶縁し、新しく英国国教会を作って自らその首長に就任しました(1534年)。その後継者のイギリス王たちは、全てのイギリス人が英国国教会の礼拝に参加するように法律で強制しました。
この王の命令に対して、熱心なプロテスタントたちは反発しました。彼らは真面目にイエス・キリストを信じていたので、自分たちの心はイエス・キリストと同じように正しいと信じ込んでいました。
また彼らは、英国国教会をインチキ宗教だと思っていました。そしてこのインチキ宗教から全てのイギリス人を救い出すのが、隣人愛の実践だと考えていたのです。
Freedomの条件である、「イエス・キリストと同じ正しい心で判断した」「仲間を助けるために行う」を、プロテスタントたちはクリアーしていたのです。そこで彼らは、イギリス王に対して、英国国教会への礼拝を強制する法律の撤廃を要求しました。
国王がそれを拒否したので内乱になり、最終的に国王軍が負けて死刑になってしまいました。これが清教徒革命(1642~1649年)です。Freedomという考え方が革命を引き起こしたわけです。
Freedomという考え方により、国民は互いに助け合い結束するので、国家が効率よく運営できるようになります。また仲間である国民のためであれば、その障害となる古い制度を打破することができるようにもなります。
Freedomという考え方によって近代国家が生まれたということが、お分かり頂けたと思います。