AIに仕事を奪われる

「AI搭載のロボットが人間を滅ぼす」などという説はSF小説のような話で、その可能性を否定する学者も多くいます。これに対して、「将来AIの性能が上がることによって、今まで人間がやっていた仕事がAIに奪われ、大失業時代が来る」という事態は、ほぼ確実に到来すると思われます。実際、この問題は、ビジネスマンの間では常識になっているのではないでしょうか。

AI(人工知能)には、特定型AIと汎用AIの二種類があります。自動運転車に搭載されるAIとか工場で溶接などの作業をするロボットに搭載されるAIは、特定の作業しかすることができず、特定型AIです。いま存在するAIは全て特定AIです。

これに対して、人間の頭脳ができることの大部分をすることができるのが、汎用AIです。汎用AIは、計算とか分類のようなことに関しては、人間よりはるかに優秀です。その一方で、感情を持つとか創造するということがどうしてもできません。

汎用AI搭載ロボットは、特定の作業だけでなく、様々な仕事をこなすことができます。一台の汎用AI搭載ロボットが、日中は資料作りとか電話応対などの事務作業をし、夕方になったら買い物をして、家で料理を作ることもできます。但しどうしても汎用AIができないこともあります。

レストランで働く汎用AI搭載ロボットの例で説明します。汎用AIを搭載したウェイトレスロボットは、客に水を出したり、注文を聞いたり、料理を出したり、皿を片づけたりする作業は全てできます。

ただし、そのレストランの床をネズミが走っているという事態に対応することは、AIにはできません。熟練した人間のウェイトレスであれば、そのネズミを叩き潰して客にショックを与えるより、こっそりとドアの外に追い出すことでしょう。AIは二つの方法のどちらが良いのか、判断ができないのです。従って、100%仕事をAIに任せることはできません。

しかし、汎用AIの出現によって、雇用の大部分がロボットに奪われてしまうのは、避けられないと思います。

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