創造的な仕事とは、組み合わせること

将来は、働いている人が人口の1割以下になるかもしれません。その時に、仕事の無い9割以上の人も、ベーシックインカムによって食っていけるような社会を作ることも可能かもしれません。

そうはいっても、仕事をして精神的にも経済的にも豊かな生活を送れるに越したことはありません。だからここで社会全体のことを考えるのではなく、「自分自身がどうやって創造力ある人間になれるか」ということを検討するのも、無駄ではないと思います。私なりに、考えていることを述べてみるので、時間と興味がある方は読んでください。

私は、「創造力とは組み合わせることだ」と考えています。別に私が言い出したことではなく、多くの人がそのように考えています。モーツアルトの頭の中には、過去の作曲家の作品がたくさん詰まっていて、その中からいくつかを取り出し、彼なりの味付けをしたものを組み合わせることによって、彼のすばらしい作品を作り出しています。たったそれだけのことなのですが、過去の作曲家の作品を覚えるのと、それらを組み合わせるために、モーツアルトはものすごい努力をしていました。

科学者も過去の学者が発見した定理をたくさん学習したうえで、それらを組み合わせることによって、目の前の現象を説明できる理論を作り出すのです。実は私は、人間関係を組み合わせることも新たな価値の創造なのではないか、と思っています。

自動車や建設機械などを作る大企業で働く人の約半分はブルーカラーです。彼らが実際にやっている業務には、設備のメンテナンスやシステム管理・人員配置のチェック・安全管理・技術教育・報告書作成などの間接業務が多くあり、実際に製造作業をしている時間は、半分以下です。

つまり大企業の従業員の労働時間のうち、実際に製品を作る時間は1/4以下なのです。大企業はロボット化やシステム化による省人を進めているので、実際に製品を作る作業はかなり合理化されており、間接作業が省人化されずに全体の3/4になっているということです。従って、今後AI化による省人化が進むのは、主として3/4の間接作業です。では3/4の間接業務で何をしているのでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする