住民投票が、北本市の発展を阻害した

北本市が新駅舎建設費用の72億円を支出して、新駅を建設するという住民投票案は、圧倒的多数で可決されるはずでした。ところが実際には否決されてしまいました。

共産党が新駅建設に反対したのです。新駅は市の南部に作られる予定なので、市の北部に住む従来の「北本駅」を利用する市民にとっては、東京に通勤する途中に停車駅が一つ多くなり、時間が1分ほど余計にかかることになります。そこで反対派は、市の北部を中心に活動を行いました。また、駅を利用しない高齢者や子育て中のママにターゲットを定めました。

そして「72億円で保育園の設置などもっと有効な税金の使い道がある。新駅を作れば市の財政が悪化する」と主張しました。実際には新駅ができれば、地価が上がり店舗やマンションが急増し、市の税収は大幅に増えるのに、その反対のデマを流したのです。

実はこの住民投票条例では、市内に住んでいる住民だけでなく、「市内で働いたり学んだりする者、市内で事業活動を行う者」にも投票権を付与していました。つまり共産党が市内に作った「新駅の住民投票に行こう市民の会」「税金負担による新駅に反対する市民の会」で活動を行う者は「市内で事業活動を行う者」になり、投票権が与えられたのです。

そこで共産党は市外に住む大勢の「プロ市民(左翼活動家)」を動員して、投票させました。その結果、住民投票で反対派が勝ちました。

住民投票は、あくまで市議会議員に民意を届ける「参考情報」であり、新駅設置のための72億円支出を決定するのは市議会です。ところが市議会には、住民投票とは反対の議決をする勇気はありませんでした。北本市には、いまでも駅は北本駅の一つしかありません。

さらに反対派は、「地方自治法では、市長のリコールには有権者の三分の一(18900人)以上が要件になっている。今回の住民投票の反対票はそれを上回る26804票で、リコールをはるかに超える」として市長を批難しました。その結果、次回の市長選挙では石津市長は落選し、共産党系の人物が市長に当選しました。

このように、住民投票は、左翼が市政を乗っ取る方法によく利用されます。その時に、市外に住む日本人や外国人にも投票権を持たせて、自分たちに有利にしようとします。このような実態を見逃して、「直接民主制」に幻惑されるのは、危険です。

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