バージニア州知事選挙で共和党が勝つという番狂わせがあった

11月2日に、アメリカのバージニア州で州知事選挙がありました。この選挙は来年の中間選挙の行方を占う大事な選挙と考えられていますが、結果的に共和党のグレン・ヤンキンが勝ちました。

バージニア州はもともと民主党が強い州で、去年の大統領選挙では民主党のバイデンが共和党のトランプに10ポイントの差をつけて勝ちました。民主党の州知事選挙の候補であるテリー・マコーリフは2018年までの4年間州知事をしていて、知名度抜群でした。対する共和党候補のグレン・ヤンキンは投資会社の社長だったので、政治の経験も知名度もありませんでした。だから誰が考えてもマコーリフの勝ちのはずでした。

ところが終盤になってヤンキンが追い上げ、あせった民主党側はバイデン大統領・ハリス副大統領・オバマ元大統領が応援に駆けつけました。結局、共和党のヤンキンの得票率が50.7%で、民主党のマコーリフは48.4%でした。

民主党は人気取りのために10年間で200兆円の経済対策(インフラ投資・子育て支援・気候変動対策など)を考えていますが、与党の中でも反対が多く、いまだに実現していません。これが今回の州知事選挙に影響したと考えられています。

しかし、民主党の本当の敗因はバイデン大統領の数々の失政です(インフレ、米軍のアフガン撤退の不手際、など)。とくに民主党の子供への政策(子供へのワクチン接種、批判的人種理論を学校で教える)が親世代の反発を買いました。

バイデン大統領の支持率は、どんどん下がり続けて、現時点では48%になっています。だから1年後の中間選挙では、民主党は負けるという予測が、大勢になっています。しかし、トランプ大統領だって支持率はずっと40%前後だったので、現職の大統領の支持率が下がるのは、特別の事ではありません。アメリカでは、大統領選挙に勝った政党は、2年後の中間選挙で国会の議席を減らすのが通例なので、1年後の中間選挙で民主党が議席を減らすことになりそうです。

来年の中間選挙が不利なことは民主党も当然分かっているので、その対策を今から立てているはずです。ヒラリー・クリントンをもう一度担ぎ出して、共和党に対抗しようという動きもあるようです。いずれにしても、民主党も共和党も中間選挙に勝つ工夫を凝らしているので、その内容がまだはっきりしない今、これ以上考えても仕方がありません。

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