バブル崩壊後の経済的衰退は、公共投資の削減が原因

大石先生は、戦後の高度成長を支えたのは東名・名神高速道路と東海道新幹線の建設だった、と主張しています。

高速道路の建設によって、高速道路沿線の内陸部(厚木・富士・栗東など)に工場や物流拠点が建設され、野菜や果物など換金性の高い農業が可能になりました。その結果、東京・名古屋・大阪の三大都市圏に高賃金を求めて人が集まりました。東海道新幹線の稼働によって、東京大阪間の移動時間は半分になり、三大都市圏の間のビジネスは大幅に増加しました。

公共投資(土木工事)と経済成長が相関関係にあるのであれば、公共投資を減らせば、経済は低迷する道理です。実際に日本は公共投資の対GDP比率を、1980年の8%から2014年の4%まで半分に減らしています。その結果、経済は低迷を続けています。

一方、経済成長している諸外国は、公共投資を増やしています。
各国の公共投資の伸び率・・・1996年を100としたときの、2012年の伸び率

カナダ  327
イギリス 293
韓国   247
アメリカ 193
フランス 166
イタリア 133
ドイツ  106
日本     47

私たち日本人は、高速道路や新幹線などの交通インフラの建設を「公共事業」と言っています。これは、不況になったら公共事業を増やして景気を刺激するという発想で、経済政策として捉えているということです。

しかし、交通インフラ建設をすれば、国土を使い勝手が良いものに改良することができ、経済を発達させることができます。バブル崩壊後、日本人はこの効果に敢えて目をつぶってしまったように見えます。

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