なぜウイグルのジェノサイドを認定しないのか

今回の森氏の辞任騒動をネットで検索すると、「朝日新聞などは、森氏の発言を非難するが、ウイグルにおけるジェノサイドのことをなぜ非難しないのだ」という意見が多くみつかりました。オリンピック憲章には、「オリンピックの目的は平和な社会を推進することだ」と書かれています。この目的からすれば、朝日新聞は、来年の中国の冬のオリンピックのボイコットを呼びかけなければなりません。

なぜウイグルのジェノサイドに沈黙をしているのか、「サヨク」自身がその理由について何も言っていないので、われわれは推測するしかありません。中国から圧力がかかっているだろうし、ハニートラップや汚いお金が原因のひとつかもしれません。自分たちのやっている反政府活動を長い間支援してくれたので、中国との腐れ縁がある、というのもありそうです。

ただ、下記のようなことも原因の一部なのではないか、と私は推測しています。
1,日本の「サヨク」の主要な目的は、日本を社会主義化することである。だから、外国のことにはあまり関心がない。

2,日本の社会主義は、大乗仏教の発想に影響された「大乗仏教社会主義」である。一方、中国では大乗仏教の勢力が微弱なので、日本の「サヨク」の主張を彼らは理解できず、言っても相手にされない。大乗仏教の発想からすれば、ウイグル人のジェノサイドを認めることはできない。しかし、そういう説明では、「社会主義の敵を放任することはできない」と主張する中国共産党を説得できない。

多くの日本人は、大乗仏教は日本だけでなく中国や朝鮮でもいまだに盛んである、と思っていますが、これは誤解です。1300年前の唐の時代の中国は確かに大乗仏教が盛んでしたが、唐は衰退した9世紀末から仏教は激しく衰退しました。

今の中国共産党政府は宗教を敵視して、巨大な宗教組織を弾圧しています。法輪功を最も激しく弾圧していますが、これは道教です。またカトリックをも統制下に置こうとして弾圧しています。しかし仏教の教団を弾圧しようとはしていません。それは仏教が中国の社会にほとんど影響力を持っていないからです。朝鮮でも大乗仏教の勢力が衰えており、それは最近6人の大統領がすべてキリスト教徒であることからも分かります。

だから、日本の「サヨク」が大乗仏教の教義に基づいて社会主義的なことを語っても、中国人や朝鮮人はその意味が理解できないのではないでしょうか。日本の「サヨク」は、自分たちの主張が世界の常識から大きく外れていることを理解していないようです。

それは、宗教をアヘンだと思っていてまじめに向き合おうとせず、宗教的な知識がないからだと思います。

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