元首相の森喜朗氏が2月3日にした発言の内容を説明します。
最初に、オリンピック関係の三つの組織を説明します。
IOC(国際オリンピック委員会) 会長はトーマス・バッハ 創設者はクーベルタン男爵
JOC(日本オリンピック委員会) 会長は柔道の山下泰裕
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 委員長は森喜朗
組織委員長の森氏がした話は、JOCの女性理事に関することです。彼は、「これはテレビがあるからやりにくいんだが、女性理事4割というのは文部省がうるさく言うんですね。だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」と言っています。
スポーツを所管する文部科学省は、IOCの方針に従ってJOCの理事の4割を女性にしろ、とJOCに指示しています。しかし現実には、25名いる理事の内女性は4人だけです。JOCの会長の山下氏は、非常なプレッシャーを受けています。そこで、森氏が山下氏をかばってその理由を説明したわけです。
「女性っていうのは優れているところですが、競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんなが発言されるんです。」「女性を増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困る、という人もいる」
「私どもの組織委員会にも、女性は何人いますか、7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます。みんな競技団体からのご出身で国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですからお話もきちんとして的を得ている。そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っているので、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです」
森氏が委員長をしている組織委員会も、40人弱の理事の内女性は7人しかいないと、述べています。このように森氏は、女性理事が少ない言い訳をしながら、理事の女性たちをほめたたえ、これから女性を増やしていく、と言っています。