日本人は共に働く者を仲間と考え、家に忠誠を尽くす
「家」は、簡単に言うと「事業体」です。
「家」は、簡単に言うと「事業体」です。
道徳規範は、世界中のどの民族も同じです。しかしそれぞれの民族には伝統的な考え方があるので、道徳の具体的内容や優先順位は、それぞれ異なります。例えば、支那人の伝統的な道徳観は、同心円を描いています。自分が円の中心にいて、自分が一番大事です。
人間は、ミラー・ニューロンを発達させ、道徳を作り、自然に人助けをする性質を身につけて、他人と仲良くできるように長年にわたって努力してきました...
人間はうわさ話が大好きです。少数の仲間が集まって、互いに自分に関する打ち明け話を行い、その場にいない者がどうなっているかを聞きます。このようにして人間は他人に関する個人情報を集め、その人物と自分が互恵関係を持つべきか否かを判断します。
誰かがうっかり物を落としたら、生後1歳2か月の幼児はそれまでやっていたことを中断してその落し物を拾ってあげます。人間は人助けをするように生まれついているのです。
あなたの相手は、あなたが自分の表情を真似したことを感じ取ります。そうなると、相手はあなたに好意を持つのです。お互いに相手を真似し合うことによって関係が良好になります。このようにして集団のまとまりがよくなり、団結が強固になります。
ミラー・ニューロンは、1996年にイタリアのパルマ大学のリッツォラッティ博士が偶然に発見しました。博士はマカクザル(ニホンザルの親類のサル)...
人間だけが相手が心の中で考えていることを推測できるのです。このようなことから、最近の人類学者や脳科学者は、人間は単純に動物から進化したものではない、と考えるようになりました。
チンパンジーは人間に最も近い動物です。両者は700万年ほど前に共通の先祖から分かれ、別々の進化の道を歩み始めました。チンパンジーと人間の外観には似ている部分がありますが、脳の働きはかなり違います。
人間のIQや身体能力に人種や民族による違いはあまりないので、先進国と途上国との差は、国民の生物学的な能力の違いによるものではなく、集団の作り方の違いから来ています。子供たちをどういう人間にしようとして教育をしているのか、国民がどういう形で共同作業をするのか、で決まります。