中国のスパイは豪の反中を信用した

オーストラリアの政府と国民は、王立強事件やほかの中国の工作活動を知ったことで、中国が極めて危険であり、自国の国益を害する存在であることを知りました。そのため、自国の経済がダメージを受けることを覚悟のうえで中国と対決することを選びました。

このきっかけになった王立強事件は、彼が台湾や日本ではなく、オーストラリアの防諜機関を選んで自首してきたからこそ、起きました。彼は、オーストラリアが他の国よりも自分をもっとよく守ってくれると思ったのです。

尚、彼がアメリカの防諜機関に自首しなかったのは、彼にはそれが出来なかったからだろう、と思います。彼は自首する前に、妻子をオーストラリアに旅行させていました。中国政府は家族を人質にするために、国内に留めようとします。オーストラリアに旅行させることが精いっぱいだったのでしょう。

オーストラリアが他の国より真剣に中国政府と対峙するようになったのは、オーストラリアのマスコミが中国政府との摩擦を恐れずに、真実を報道したからです。

ナインというオーストラリアの大手テレビは、王を素顔で番組に登場させましたが、これをすることで、ナインは中国国内で取材ができなくなるばかりでなく、様々な妨害工作を受けます。このようなことを覚悟したうえで、国民に本当のことを知らせたわけです。

日本のマスコミならば、このような大胆なことは絶対にしないでしょう。中国政府を恐れ、絶えず忖度しています。中国について本当のことを書くと、そのマスコミの北京支局が閉鎖され、駐在している記者たちは中国から追放されたり、悪くするとスパイ容疑で拘束されたりするからです。中国に関して本当の報道をしようとすれば、まずすべきことは中国国内の支局を撤退させることだ、と私は思います。

また、親中派の政治家たちも、この事件を闇に葬ろうとするのではないでしょうか。実際に、闇に葬られた事件があったのかもしれません。

つまり、日本とオーストラリアとで中国に対する姿勢が違うのは、両国のマスコミと政治家の意識が違うからです。そしてマスコミも政治家もその国の国民の考え方に基づいているので、結局は両国の国民の発想の違いに帰着します。

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