豪のマスコミが中国の工作を暴露

オーストラリアは、牛肉・ワイン・石炭・鉄鉱石などを中国に輸出し、全輸出の40%弱が中国向けです。また観光業も中国の依存度が非常に高かったです。中国への経済的依存度は日本よりもはるかに高いです。その結果、オーストラリア政府は、かつては非常に親中でした。

ところが最近、オーストラリアと中国との関係が急激に悪化し、中国批判を最も激しく行っている国になっています。どのような経緯でオーストラリアの姿勢が強硬になったのか、を見ていきます。

2020年4月、オーストラリア政府は、新型コロナウイルスの発生源について国際的な調査団を中国に派遣すべきだ、と発言し中国を激怒させました。中国は報復として、牛肉やワイン・石炭に高い関税をかけたり輸入禁止にしたりして、経済的にオーストラリアを苦しめようとしました。

さらに今年の4月21日には、オーストラリアのビクトリア州政府と中国政府が締結していた協定を、オーストラリアの中央政府が破棄しました。ビクトリア州政府は、2018年と2019年に、一体一路構想に同州が協力するという協定を結びました。それがオーストラリアの外交政策の障害になるという理由で、中央政府が破棄したのです。マライス・ペイン外務大臣は、「一帯一路は、影響力を金で買う行為だ」と非難しています。

5月6日、 中国政府は、報復としてオーストラリアとの戦略的経済対話を無期限停止にしました。そして環球時報は社説で、「オーストラリアのタカ派は、アメリカに味方して台湾海峡で中国と戦うと脅している。だから、中国はオーストラリアに長距離弾を撃ち込む準備をすべきだ」と書いています。環球時報は、中国共産党の外国向け機関紙です。

5月10日、 オーストラリア政府は、国内の13の大学に設置している孔子学院に対する審査を開始しました。孔子学院は表面的には、大学の学生に中国語と文化を教える機関で資金は中国政府から出ています。しかし、オーストラリア政府は、これが中国の工作機関だとして閉鎖の準備をしているわけです。

オーストラリアのマスコミはこの4年ぐらい、中国が仕掛けている工作活動を暴いて報道し続けました。その効果が最近になって現れて、オーストラリア全体が反中になって、上記のようなことになっているのです。

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