中国がウイグル人をジェノサイドしていることを、欧米諸国は事実であると認定をしています。その結果、欧米諸国と中国との関係が悪化しています。一方日本の国会は、中国の人権弾圧の対する非難決議をしようとしましたが、失敗しました。
欧米諸国と日本とを比べると日本の方が中国の脅威を強く受けています。いまウイグルのジェノサイドを黙認すれば、今度は日本の番になるのです。だから日本の方がより強く中国に反発するべきなのに、そうなっていません。
日本が中国に対して弱腰な理由として、日本は経済的にあまりに深く中国に依存しているために、中国を怒らせることが怖くてできない、という説明がよくされています。確かにジェノサイド認定をしている欧米諸国は、中国に対する経済的依存度が日本よりも低いです。
しかし中国に対する態度は、経済的依存度だけで決まるわけではありません。
オーストラリアの国別輸出額(資料:JETRO) 単位:100万豪ドル
・ 2018年 2019年 構成比 前年伸び率
中国 118,652 149,783 38.4% 26.2%
日本 56,271 57,928 14.9 2.9
韓国 24,374 26,012 6.7 6.7
台湾 10,689 12,789 3.3 19.6
英 5,033 15,357 3.9 205.1
独 2,725 3,027 0.8 11.1
米 13,446 15,192 3.9 13.0
オーストラリアは全輸出の4割近くが中国向けです。一方、日本の輸出は、アメリカ向け、中国向けともに2割以下で、オーストラリアの方が日本よりはるかに経済的に中国依存度が高いのです。
ところがそのオーストラリアが、中国を怒らして経済的報復を受けるのを承知の上で、新型コロナウイルスの発生源を特定するために国際的な調査団を中国に派遣すべきだと主張し、またウイグルへのジェノサイド認定をしました。