2007年に国連は「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を採択し、各国にこれに従うように要請しました。
この宣言は、前文で、「先住民族は、彼らの人権と基本的自由を剥奪されてきており、その結果、とりわけ、彼らの植民地化と彼らの土地・資源が略奪された」と書いています。そして、下記のようなことを規定しています。
・先住民族には、自治の権利がある
・先住民族は、過去に奪われた土地、民族皆殺し政策や民族同化政策によって被った損害に対して賠償を求めることが出来る
・先住民族は、宗教的伝統を維持したり、遺骨などの返還を求めることができる
・先住民族は、雇用・職業訓練・住宅などを改善ための特別措置に対する権利を有する
・先住民族は、その構成員を選抜する権利を有する
国連の人権委員会は、ご承知のように中国と社会主義者・グローバリストに牛耳られています。特に中国は自国内で激しい人権弾圧をやりながら、他国にはおかしな人権を要求して、その国を弱体化しようとしています。
国連の人権委員会が、南北アメリカ大陸やオーストラリアの原住民を念頭に置いてこの宣言を作っていることは明らかです。このような残虐行為をやった当事国であるアメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドは、この宣言に抵抗しました。
日本はこの国連宣言に賛成しました。国会は翌年、「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議案」を採択しました。アイヌを先住民族と認め、「日本が近代化する過程において、多数のアイヌの人々が、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を、私たちは厳粛に受け止めなければならない」と宣言したのです。
2019年4月に制定されたアイヌ新法はこのような流れを受けているので、アイヌを、先住民族だ、と規定しています。
ところがアイヌは、日本列島の先住民でないどころか、北海道の先住民族でもありません。それを「先住民」と決めつけたのが、この騒ぎの発端なのです。