なぜ、占領が解除された後でもNHKをはじめとするマスコミ各社は、「日本は悪いことをした」と偏向報道を続けているのでしょう。
日本には大乗仏教の伝統があり、その考え方が日本人の心に沁みこんでいます。仏教は出家をし、社会を離脱して修行することが良いことだ、と教えている宗教です。立派な人物は出家してしまうので、実社会に残っているのは仏教の教えに目覚めない凡人どもばかりです。だから実社会や国家は、劣った者たちが自分の欲望を満たそうとしてもがいている下らないところだ、と仏教は考えるのです。
実社会や国家を下らないと見下す仏教の考え方では、社会や国家をうまく運営することができません。だから昔の日本人は、国家や実社会にかかわる事柄は神道の教えに従って判断し、個人的なあの世の問題だけを仏教によって処理していました。
例えば、夫婦という社会を担うカップルが誕生したことを広く社会に広報する結婚式は社会的な事柄なので、神道によって儀式を行いました。亡くなった先祖をしのぶために行う墓参りは社会と関係が無いあの世のことなので、仏教によって儀式をおこなっています。
ところが敗戦後、戦争を引き起こしたのは神道の責任だということになってしまって、神道の信用が下がり、仏教の勢力が増してきました。そして社会や国家を仏教の教えで考えるようになりました。仏教は「社会や国家はくだらない」と考えるので、その考え方によって「国家はくだらないもので、力をつけると悪いことをする」と多くの日本人が考えるようになったのです。
アメリカ占領軍が日本に押しつけた「日本は悪いことをしたという罪の意識を日本人に植え付ける政策」の種は、大乗仏教の「国家は悪いことをする」という考え方の土壌の上に蒔かれたために、発芽してどんどん大きく育っていったのです。
だから「日本は悪いことをした」「国家は悪いことをする」「本当は、日本人は愚かなのだ」ということを主張する番組は、ある程度の視聴率を稼げるのです。
「日本人のルーツ発見!核DNAが解き明かす縄文人」などというおかしな番組を作らせないためには、「国家は悪いことをする」という仏教の浮世離れした発想で社会を考える姿勢が誤っていることを、国民の一人一人が自覚することが大切です。