真実を報じるより、学会に従っておけば良い、というのがNHK

核DNAの中にはすべての遺伝子情報が含まれていて、その中には父から息子に伝わるY染色体の情報も入っています。

日本及び周辺諸国のグループ別Y染色体の頻度を分析してみて、日本人の少なくとも89%が縄文人の遺伝子を受け継いでいることがわかりました。(長浜浩明著『日本人ルーツの謎を解く』)。

このように核DNAに関する研究がすでにあるのに、NHKは「日本人のルーツ発見!核DNAが解き明かす縄文人」というおかしな番組を作りました。この番組のはじめの方で「現代日本人の20%しか縄文人の遺伝子を受け継いでいない」と言っておきながら、終わりの方では結論を濁して「まだよくわかっていないのだ」と説明を変えているのです。

この番組には、おかしな点がいくつかあります。
1、縄文人二人の遺体からDNAを抽出した。日本には縄文遺跡が9万あり百万以上の遺骨があるはずだ。たった二体からのデータで結論を出すというのでは、科学の名に値しない。
2、どうして20%という結論を出したのか、その理由を一切述べていない。DグループのY染色体を持っている日本人が34%いるが、支那人や朝鮮人はこれを持っていない。従って、少なくとも現代日本人の34%は縄文人の遺伝子を受け継いでいるはずである。これと20%との差をどう考えるのか

このようなおかしなことをNHKがした理由は、いろいろあります。人類学者の多くは「日本人は渡来系の弥生人の子孫であり、先住の縄文人は日本の片隅に追いやられてしまった」という明治時代からの学説にしがみついています。

それに反する新しい事実が出てきてもまじめに検討せず、見事なまでの頑固一徹ぶりを示しています。人類学者の多数説がそのようなものである以上、NHKもそれに従っていれば面倒なことは起きないだろう、という判断が働いたのでしょう。

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