消費増税は不要である

2014年に消費税を5%から8%に増税する際、御用学者や官僚たちは、景気は悪化しないと主張していましたが、実際には大幅に落ち込みました。今度増税すれば、また景気が落ち込むことは間違いありません。

財務省が消費増税を主張するのは、政府の借金が1100兆円とGDPの二倍を超えているので、借金の絶対額を減らしたり、少なくとも毎年の財政赤字をゼロ(プライマリーバランス)にしたりして、高齢化による社会福祉費の増加に備えなければならない、という理由からです。

実はこの論拠はウソです。確かに政府の借金は1100兆円ですが、国の財産は600兆円あり、さらに日銀が所有している政府の国債が500兆円あるので、両方を合わせると1100兆円になります。日銀は政府の子会社なので、連結すれば借金と財産が同額になり、借金は実質的にはゼロなのです。

そもそも、倒産する危険性が高い企業や国が借金しようとすると、法外に高い金利を要求され、その反対に安全な企業や国へはその銀行も争って安い金利で金を貸そうとします。いま日本政府は、マイナス金利で銀行から借金をしています。それは銀行などの金融のプロが、日本の財政は極めて健全だと確信しているからです。

IMFは昨年10月に、日本の財政についてのレポートを出しました。
「巨額の借金を抱える日本の場合、負債額はGDPの283%に相当するが、その半分以上を日本銀行を含めた政府機関が抱えている。他の資産も考慮に入れて試算すると、日本の「純資産」はほぼプラスマイナスゼロになる。一方で、財政黒字を誇るドイツの場合、純資産はマイナスである。」

以上の説明でもわかるように、消費税を増税する必要などありません。そんなことは、増税を主張する財務省の官僚の全員と、大企業のトップからなる財界のかなりの部分も分かっているはずです。それでもなお、消費増税を主張するからには、それなりの理由があるはずです。

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