「日本基督教団」というキリスト教の団体があります。戦争が始まる直前の昭和16年に政府の指導で、30以上のプロテスタント宗派が合同してできた教団なので、あまり統制がとれた組織ではありません。
この教団が、1967年3月に「第二次世界大戦下における日本基督教団の責任についての告白」というものを発表しましたが、いまだにこの内容を見直す気持ちは無いようです。全文は教団のホームページで読むことができます。少し長いので、ここでは抜粋して載せます。
「わが国の政府は,そのころ戦争遂行の必要から,諸宗教団体に統合と戦争への協力を,国策として要請いたしました。当時の教会の指導者たちは,この政府の要請を契機に教会合同にふみきり,ここに教団が成立いたしました。
教会は,あの戦争に同調すべきではありませんでした。しかるにわたくしどもは,教団の名において,あの戦争を是認し,支持し,その勝利のために祈り努めることを,内外にむかって声明いたしました。
まことにわたくしどもの祖国が罪を犯したとき,わたくしどもの教会もまたその罪におちいりました。
心の深い痛みをもって,この罪を懺悔し,主にゆるしを願うとともに,世界の,ことにアジアの諸国,そこにある教会と兄弟姉妹,またわが国の同胞にこころからのゆるしを請う次第であります。」
上記に書かれているように、「日本は罪を犯した」と言っていますが、日本がどういう罪を犯したのかについては、一切述べていません。キリスト教には、戦争をすることが悪い、という考え方はないので、何を言いたいのかはっきりしません。
日本基督教団は力が弱いので(日本のプロテスタントはせいぜい40万人程度で、総人口の0.3%です)、政府に逆らうことはできなかった、ということを暗に主張しています。強い者から脅迫されてしかたなくやったことは、法律的には犯罪になりません。その理屈からすると日本基督教団に罪は無いはずで、日本基督教団が何で謝っているのか、この「告白」だけではよく分かりません。