2000年ほど前、イタリア南部のヴェスヴィオ火山が噴火して、ふもとのポンペイが灰に埋まってしまいました。この遺跡を発掘調査したところ、古代ローマ人はキリンを食べていたことが分かったそうです。
キリンはイタリア半島から2000キロ離れたアフリカ大陸の中央部にしかいません。古代ローマ人は、キリンをわざわざ2000キロ運んで食べたのでしょう。きっとそこまでして食べたくなるほどキリンの肉はおいしいんじゃないか、と私は考えました。
私は、山崎豊子の書いた『沈まぬ太陽』という小説を思い出しました。日本航空が起こした大事故を題材にした小説です。主人公はアフリカの支店長に飛ばされて、そこで動物をハンティングすることで憂さを晴らしていた、という描写がありました。野生動物の肉は美味いとも書いてありました。
私はスイスの山奥で、鹿肉のステーキを食べたことがあります。牛肉などよりはるかに美味しかったです。野生動物の肉はおいしい、というのは本当のことみたいです。
野生動物の中には「絶滅危惧種」に指定されて売買できないのもあります。しかしキリンは、ゾウやサイのように角や牙目当てに密猟されないのでどんどん増えており、特に保護の対象にもなっていません。だからキリンのステーキはアフリカで普通に食べられるそうです。
キリンはかわいらしい動物ですから、食べるには少し抵抗があります。でもアフリカに行くチャンスがあれば、一度はキリンのステーキを食べてみたいです。