キリスト教の結婚式

カトリック教会の結婚式では、神父が花婿に向かって「汝はこの女を妻にするか」と問います。花婿は「はい」と答えますが、これは誰に向かって言ったのでしょう?神父は神の代理人ですから、神が花婿に「汝はこの女を妻にするか」と問うたのに対し、花婿が神に「はい」と返事をしたのです。

これで神と花婿との間で、「花婿はこの女を妻にする」という契約が成立しました。神と花嫁との間でも、「花嫁はこの男を夫にする」という契約を締結します。

カトリックの結婚式は、二つの契約を締結する儀式です。第一の契約は神と花婿との間の契約で、第二の契約は神と花嫁との間の契約です。花婿と花嫁との間の契約はありません。

もともと中近東では、契約は神と人間との間で締結するものでした。キリスト教の結婚式もこの考え方で行われています。

離婚するには、結婚契約を解消しなければなりません。結婚契約の一方の当事者は神ですから、神から契約解消の同意を取り付けなければなりません。契約の当事者でない夫婦が離婚に同意しても、法的効力はまったくありません。

離婚するには神の同意が必要ですが、神と直接交渉は不可能ですから、実際には神の代理人から同意を得ることになります。

結婚するときは村の教会の神父が神の代理人となりましたが(正確には、村の教会の神父は、神の代理人であるローマ教皇の代理人)、離婚の時は村の教会の神父には代理権はありません。ローマ教皇から直接同意を取り付ける必要があるのです。

結局、離婚にはローマ教皇の同意が必要ですが、金も権力もない一般人には無理です。カトリック信者が離婚できないというのは、こういう意味です。離婚は、特権階級が金と時間をふんだんに使ってやっとできる贅沢なのです。

プロテスタントは、結婚は神と人間との間の契約だ、という理解をしていません。だからプロテスタントは、夫婦の合意で離婚できます。

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