支那で人の遺伝子を操作

先日、NHKのテレビが「中国の大学が、人間の受精卵の遺伝子操作に、世界で初めて成功した」と報じていました。人間の遺伝子を操作することは大きな問題を引き起こすのにもかかわらず、NHKは「支那の科学技術が進歩して世界一になってよかったね」という感じの報道をしていました。

遺伝子工学はアメリカが一番進んでいて、日本もかなりのレベルです。どちらの国も動物の遺伝子組み換え実験を盛んにやっているので、人間の受精卵の遺伝子組み換えなど簡単にできます。しかし非常に大きな問題があるので、どちらの国もあえてやっていないのです。
つまりこのニュースの意味は、「支那の科学のレベルが上がった」というのではなく、「支那が禁じ手をやってしまった」ということです。

自然は多様性を好みます。環境が変わったら、従来は有利だった遺伝体質が不利になってしまうので、できるだけ様々な遺伝子を保存してどのように環境が変わっても種の存続を図ろうとします。

14世紀のヨーロッパでペストが大流行し、人口の半分が死んだと推定されています。ところが特殊な遺伝子を持った人はペストに感染しなかったため、その子孫たちがヨーロッパにいます。エイズウイルスはペスト菌に非常に似ているので、ペストに感染しない遺伝子を持っている人はエイズにも感染しません。だからヨーロッパ人の一部はエイズに感染しないのです。

この特殊な遺伝子を持っていても、他のことには役に立ちません。だから最近になってエイズが流行する前は、このような遺伝子は何の評価もされませんでした。いつどのような遺伝子が役に立つか分からないのです。

人間が現在の環境を前提にして、役に立たない遺伝子を良いと思った遺伝子に置き換えたら、人類全体の生存に不利に働くかもしれないのです。人間の浅知恵で良い遺伝子と悪い遺伝子を区分けするなど、不遜です。

次回の「神の領域を犯した」に続きます。

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