パッサーズ・ラム

私の古い友人が新しいヨットを買ったので、パッサーズ・ラムをお土産にお祝いに行きました。キャビンには何人か客がいましたが、私がパッサーズ・ラムを渡すと、船長が歓声を上げて大変でした。ヨット乗りにこの酒を飲ますと、値段以上に喜んでくれます。

パッサー社製のラム酒は、長い間英国海軍のご用達でした。帆船時代、水兵たちは高いマストの上に登って帆を広げたりたたんだりしなければなりませんでした。

風が強く船が揺れている時など、恐怖のあまり足がすくんでしまいます。そういう時に船長は、仕事を終えたらラム酒を飲ませてやる、と酒で釣って水兵をマストに登らせたのです。

グロッグという名前の提督は、パッサーズ・ラムの水割りを発明しました。以来、英国の軍艦ではこの「グロッグ」を水兵に飲ませるようになりました。このグロッグを飲みすぎると、酔っぱらって「グロッキー」になります。

パッサーズ・ラムには、アルコール度が42度の酒と55度の酒の二種類があります。私はそれぞれ一本ずつ土産に持って行きました。よそのヨットの船長たちもこの酒を飲みにきたのでたちまちなくなってしまいました。もっと持っていけばよかったです。

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