エジプト人のボーイフレンド

前回の「ダイアナ妃は不幸な家庭に育ったため、愛情をコントロールできなかった」の続きです。

ダイアナ妃はチャールズ王太子との結婚中、イケメンの陸軍将校と不倫関係にありました。しかし離婚後はイケメンの彼氏と別れ、ドディ・アルファイドと親しくなりました。

アルファイドはエジプト人の大富豪で、ダイアナ妃をプレゼント攻めにしていました。忠臣バレルは本の中で、「ダイアナ妃は、アルファイドとの結婚を特に考えていなかった。ましてや彼の子供を妊娠してなどいなかった」と主人を弁護しています。

しかし問題は、「ダイアナ妃がアルファイドとの結婚を考えていたか」ではなく、「周囲がどのように推測していたか」です。ダイアナ妃は周囲から誤解を受けやすい人物だったので、忠臣バレルは、ダイアナ妃が亡くなった後、彼女の姑だったエリザベス女王に謁見して、ダイアナ妃がどういう人物だったのかを説明しました。

この謁見は予定時間を大幅に超過し、3時間以上に及びました。バレルは、「ダイアナ妃はアルファイドと結婚する気持ちはなかった」と女王に申し上げましたところ、「女王陛下は、国民と同じ印象を持っておられたご様子だった」と本に書いています。

女王は、バレルから説明を聞くまで「二人の関係はひと夏の冒険ではなく、これから長く続くつきあいの始まりだった」、つまりやがては結婚するのだ、と理解していたのです。

ダイアナ妃がアルファイドと結婚すれば、いろいろな不都合が生じます。元王太子妃が有色人種と結婚して混血児が生まれるというのは、王室にとってかなりのイメージダウンです。しかしダイアナ妃はすでに王室を去っていますから、決定的なダメージではありません。

本当の問題は、アルファイドがイスラム教徒だということです。イスラム教徒は異教徒とは結婚できないので、ダイアナ妃は結婚のためにイスラム教に改宗しなければならないのです。

次回の「英国国教会の首長」に続きます。

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