和菓子屋さんでうまそうなものを物色していて、シベリアというお菓子を見つけました。
カステラ状の生地の間にあんこが入っていて、味は三笠山に似ています。以前からこれを食べたかったのですが、見つけることができませんでした。
私は宮崎駿のアニメが好きで、「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」などほとんどの作品を何度も見ています。その中に「風たちぬ」という作品があります。ゼロ戦を設計した堀越二郎という技術者を描いた作品で、時代は昭和初期です。このアニメの中に、主人公が菓子屋でシベリアを買う場面があるのです。
今でこそ、このお菓子を探すのが大変ですが、昭和初期には「子供が食べたいお菓子NO1」で、どこのお菓子屋さんでも作っていたそうです。当時の女学生は学校帰りにミルクホールに立ち寄り、ミルクコーヒーを飲みながらシベリアを食べるのが流行っていました。
そういえば「徹子の部屋」でも、黒柳徹子がこのお菓子について話していたような記憶があります。彼女は私の母と同年代でティーンエイジャーの時に戦争を経験しています。世の中から次第に甘いものが消えていき、駅にあったチョコレートの自動販売機からチョコレートが出てこなくなって、とても悲しかったそうです。あの時代にお菓子の自動販売機があったのですね。日本ってすごい国です。
このように年代物のお菓子で今の我々から見たら素朴なものですが、なかなかレトロな味がしますよ。スーパーでも売っているので、見つけたら皆さんも食べてみてください。