安部下ろしとトランプ下ろしは目的が違う

「トランプ下ろし」に励んでいる大手マスコミ・民主党・共和党の主流派は、従来の利権を守ろうとしています。国境を越えてビジネスを行い大きく儲けるためには、国ごとに法律・関税・規制や考え方の違いがない方が望ましいのです。だからTPPを推進するのです。不法移民だろうが賃金の安い労働者が多いと企業はコストを削減できます。だから不法移民退治に反対するのです。ISや北朝鮮などのならず者国家を口で非難するだけで、壊滅させようとはしませんでした。これらのならず者国家が存在していれば、周辺国家に武器を売ることができるからです。

トランプ大統領は、今までのやり方は一部のエスタブリッシュメントを利するだけで、一般の国民の利益に反するとし、政策転換を行おうとしています。だから既存のエスタブリッシュメントが集まって、「トランプ下ろし」に努力しているのです。

トランプ大統領もその反対派も、共に自由のために戦っています。キリスト教の自由とは、「イエス・キリストと同じ正しい心で他人を助けるためならば、既存の法律やルールを破っても構わない」という意味です。

トランプ大統領は、仲間であるアメリカ国民を助けるという正しいことをやっているという自負を持って、既存の政界・産業界の秩序を破壊しています。

一方のエスタブリッシュメントは、「良い商品を妥当な価格で提供すれば、購入者はみな喜ぶ。価格を引き下げるために様々な障壁を破壊することは、大勢の消費者を喜ばす正しい行為で、イエス・キリストも認めるであろう。だからビジネスをやるうえでの様々な障害を打ち破るのである」と考えています。彼らは、経済的自由を主張しているのです。

一方、日本で「安部下ろし」に励んでいる勢力が、具体的にどういう利益を求めているのか、はっきりしません。戦争に反対するのは結構なことですが、具体的にどういう方法で戦争を防止するのか明らかにしていません。日本の景気を良くすることに関しては、ほとんど関心を持っていないようです。

私に伝わってくるのは、「国家は悪いことをするから、強い権限を与えてはならない」という想念だけです。前にも説明しましたが、このような「浮世離れ」した発想は、仏教から来ています。仏教は、出家して世の中を相手にしないことが正しい、と考えています。現世は、仏教の真理を理解できないレベルの低い者が右往左往しているところで、まともに考えるに値しない下らないところなのです。

このような「無意識の仏教徒」の支持を集めた民主党が一時政権与党になりましたが、あまりに「浮世離れ」した政策のために、すぐに凋落しました。そもそもそのリーダーが、地に足の着いていない「宇宙人」でした。

アメリカで「トランプ下ろし」をしている勢力は、現世を一定の方向に進ませようとして行動をしています。
一方日本で「安部下ろし」に励んでいる勢力は、現世(浮世)はどうせ濁っているのだから真剣に取り組むようなものではないと考え、少し離れた彼岸から現世(浮世)を上から目線で眺め、いろいろ文句を言っている、という感じです。

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