日本人は、日本国憲法を納得したのか?

昭和20年の敗戦により、日本は占領され独立国でなくなりました。軍隊も解体され、天皇陛下は日本の支配者ではないということになりました。大日本帝国憲法の根幹が消えてなくなったわけで、大日本帝国憲法は消滅しました。

誰もが知っているように、戦後の日本国憲法はアメリカ占領軍が無理に作らせたものです。

この憲法の内容に関して、日本人は喧々諤々の議論などしていません。ましてや、この憲法を成立させるために戦って血を流した人は誰もいません。憲法に対する国民の意思を確認するための国民投票さえ、行われていません。要するに憲法制定権力が働いた痕跡さえありません。

憲法第9条は、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と規定していますが、自衛隊はどこから見ても軍隊なので明らかに憲法違反です。日本はれっきとした軍隊を「軍隊ではない」と強弁しているわけで、世界中に向けてウソをついています。

この自衛隊が設立されたのは、サンフランシスコ講和条約によって日本が独立を回復してからわずか5か月後です。それ以来64年間自衛隊は存続し続けているので、日本人は日本国憲法をきちんと考えていないことがよく分かります。

憲法第89条は、私学に対して税金を支出してはならない、と規定しています。ところが実際は、私立大学や私立高校などに補助金として巨額の税金が投入されています。この憲法違反を誰も指摘しないため、多くの日本人は憲法にこんな規定があることすら知りません。

以上のことから分かるように、日本人は「自分たちの血と汗で憲法を作った」という自覚を持たず、まじめな関心を寄せていません。そもそも日本国憲法の可否を国民に問う国民投票が、なされていません。それにもかかわらず、改正の際には国民投票が必要だときていされています。この巨大な矛盾を問題視する人があまり出ていません。こんな問題だらけの日本国憲法など、成立しているわけがありません。

日本は今、「成文憲法典はないが、紙に書いていない憲法は存在する」という状態です。そして政府をはじめとして多くの勢力が、「日本国憲法は存在する」という幻想を国民に抱かせて、現実を無用に複雑にしています。