日本の海峡を領海に

日本の領海に関しては、国連海洋法条約(1992年制定)と日本の領海法(1977年制定)の二つの法律が適用されます。

1977年当時、まだ国連海洋法条約は成立していませんでしたが、次のような国際的な慣例ができていました。
・領海は最長でも12海里まで
・領海内では、外国の船舶は無害航行権しかみとめられない
潜水艦は、海上に浮かんだ状態では戦闘能力がまるでないので無害です。しかし、潜航していれば、突然魚雷やミサイルを発射できて危険です。外国の潜水艦が領海を航行するときは、浮上して姿をさらさなければなりません。

津軽海峡などが領海になれば、アメリカの原子力潜水艦は浮上して航行しなければならず、これでは潜水艦の最大のメリットである隠匿性が守れません。さらに日本政府は「非核三原則」を守っているので、日本の領海内に原子力潜水艦は入れません。

そこで日本は1977年に領海法を制定して、この問題を解決しました。
・日本の領海は、原則として沿岸から12海里である
・ただし、5つの国際海峡(宗谷海峡、津軽海峡、大隅海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道)では、当面の間、3海里とする
この結果、5つの海峡の中央部は公海になり、アメリカの原子力潜水艦は潜航したまま通過できるようになりました。中国やロシアの潜水艦も潜航したまま通過できます。

その後1992年に国連海洋法条約が成立し、領海ではあっても国際海峡では外国の船も無害航行をしなくても良く、潜水艦は潜航したまま通過できるようになりました。だから日本は、領海法を改正して、5つの国際海峡でも海岸線から12海里を領海にすれば、良いのです。

非核三原則は、単なる閣議決定ですから、今の内閣が閣議で廃止を決めれば済むことです。中国やロシアの軍艦は従来通り海峡を通過できますが、日本の領土内ですから、主権を行使してその行動を規制できます。

津軽海峡など5つの国際海峡を領海にすることに、「国際交通の自由を保護するため」として反対しているのが外務省です。世界一重要な国際海峡であるマラッカ海峡でさえ、領海になっているのに、外務省の考え方は時代錯誤です。

また、自由とは「勝手気ままに振舞うことだ」とFreedomを誤解している結果でもあります。Freedomや誠は、仲間である国民を守り助ける、という考え方のはずです。

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