同性婚

トランプさんのもう一つのいわゆる「暴言」は女性蔑視発言ですが、これはトランプさん自身が説明しているように「ロッカールームのヨタ話」の類で、多くの女性たちもまじめに考えず、白人女性の40%以上がトランプさんに投票しています。

アメリカの女性運動には、日本人のよく知らない側面があります。アメリカ合衆国の憲法は男女同権を規定していません。そこで女性運動家たちが、憲法に男女同権の条項を追加しようとしました。連邦議会はこの修正案を可決しましたが、四分の三以上の州が10年以内に修正案を承認すること、という条件をクリアーできず、廃案になってしまいました。

この男女平等を規定する憲法改正案に対しては、キリスト教系の女性団体が大反対しました。「神は女性に対して男性とは違う固有の役割を与えた。その役割を無視して男性とまったく同じように扱うことは、女性にとって不幸だ」という理由からです。そしてこの修正案をツブしました。キリスト教は、「神から与えられた役割をきちんと果たすことが、正しい態度だ」と考えます。

今でもこの修正案をあきらめることのできない人たちが、同性婚という迂回路を使って自分たちの主張を訴え続けています。そしてトランプさんを標的にしたわけです。

日本で同性婚を主張している人たちは、このようなアメリカでの紆余曲折を知らないのではないでしょうか。日本の憲法はすでに男女平等を認めているので、問題はすでに解決されているはずです。

あるいは、無意識のうちに仏教思想から来た平等観によって同性婚を主張しているのかもしれません。日本に入ってきた仏教には、「人には、能力の差も肌の色の差も、男女の差もない」という考え方が根底にあります。そして出家し、社会から離脱して一人で暮らすことを理想としています。
こういう発想なので、社会の中で自分の役割を果たす、という考え方がもともとありません。

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