私の父は若い時から白髪だったので、「僕もそのうち白髪になるのかな。白髪はいやだな」と思っていました。そうしたら本当に40代から白髪が目立つようになってしまいました。
白髪が恥ずかしくて、50歳ぐらいから髪を染めるようになりました。最初は真っ黒に染めるほどの勇気がなく、「ロマンスグレー」に染めました。私が白髪を染めたことを周囲の人はすぐに気がついたはずなのに、誰も何も言いません。みんな気を使っていたのですね。
次第に髪を染めることに対する抵抗感がなくなり、真っ黒に染めるようになっていきました。染めてからしばらく経つと、髪が伸びて根本の数ミリが白くなります。それが恥ずかしくてまた悩むというように、染めだすとかえって悩みが重なるのです。
最近になって染めるのが嫌になり、ありのままの頭にすることにしました。そうしたら今までの後ろめたい気持ちというかコンプレックスがなくなり、非常に気分爽快になりました。もっと早くに染めるのをやめたらよかったです。
最近イチローの写真を見て、まだ40代のはじめのはずなのに、白髪が目立っているのに気がつきました。「スポーツ選手は人気商売だから見てくれが大事じゃないのかな。染めて若々しくした方が良いのではないかな」と初めは思いました。
ところがイチローがあまりにも堂々としているので、私の見方も変わってきました。イチローは、非常に現実的なのですね。白髪は体が老化している証拠ですが、それに悩むよりも、そのような状況で精いっぱいやるしかないと覚悟を決めているようです。
さすがに一流は違います。