アメリカのテレビドラマに、「刑事コロンボ」というのがありました。アメリカで大評判になり、日本でもNHKが放映していました。ピーター・フォークが演じるコロンボ刑事は、ロサンジェルス市警の殺人課の刑事です。
ドラマの流れは毎回同じで、まず犯人が被害者を殺害するシーンから始まります。視聴者は最初から、犯人が誰か分かっているのです。そこにコロンボ刑事が登場し、犯人と様々なやりとりをすることになります。私はこれが面白くて、毎回このドラマを見るのを楽しみにしていました。
犯人は精神科医・海兵隊の将軍・大企業の社長・上院議員候補などの社会のエリートで、みんな頭がよくなかなか尻尾を掴ませないのですが、最後にコロンボが証拠を突きつけて、お縄となります。
このドラマは、1968年から10年間放映されました。その後11年のブランクの後に、1989年から新シリーズが始まり14年間続きました。
最初のシリーズでは被害者も犯人も白人ばかりで、黒人はほとんど出てきませんでした。ところが新シリーズでは、黒人が精神科医とか警察のボスなどの重要な脇役として出て来るのです。
私は、「アメリカは人種差別をなくそうとかなりの努力をしているな」と感じましたが、同時にわざとらしさをも感じました。そのうちに黒人のオバマ上院議員が大統領になったので、「ここまでやって大丈夫かな?」とまで思いました。
案の定、アメリカの白人はこのような一種の偽善にうんざりしたのでしょう。本音を表に出すようになり、白人至上主義者のトランプさんを大統領にしました。
「刑事コロンボ」は、いろいろな意味で面白いですよ。みなさんも是非ご覧になってください。